良性発作性頭位めまい(BPPV)
もっとも一般的なめまいです。
良性とあるように重篤な症状になることはありませんが、吐き気を伴い耐えがたい場合もあります。
症状
- 回転性(まわるような)のめまいが起こる。
- 起床時や就寝時、寝返りをうつとき、上や下を向くなどの動作で出やすい。
- 動作をしてからめまいが出るまでに、数秒の時間差がある。
- めまいが出てからは1分以内に収まる。
- めまいが出る動きを繰り返すと楽になる。
- 耳鳴りや難聴などの聴覚症状は出ない。
- 女性や中高年に多い
原因
頭部外傷や内耳障害、加齢による変性などで耳の内耳にある耳石器(前庭)から耳石がはがれ、三半規管に入ってしまい感覚器(クプラ)を刺激する事でめまいが起こる。三半規管には前半規官・後半規管・外側半規管の3つがありますが、特に後半規管に入りやすいです。
カイロとして耳石を戻すまたは耳石を固定するということはできませんが、頚椎のゆがみがある方はめまいを起こしやすくなる(※)ので良性発作性頭位めまいと頚椎のゆがみによるめまいが相乗して酷く感じられているというケースには非常に有効です。
※関節の慢性的な変位により間違った固有位置覚が記憶されてしまうと平衡感覚を正しく認識できず動作時の運動パターンのエラーや不安定感が出やすくなる。
頚性めまい
症状
頚性めまい(頚椎原性めまい)の場合、「数分以内でおさまり、寝返りや振り向く」という特徴があるほか、次のいずれか、または全てに該当する可能性が高いです。
- むち打ちなどの頚椎の外傷歴がある。
- 以前から首が回りづらかった 。
- 頭痛や場合によっては舌のしびれを伴うこともある。
頚性めまいは「頚椎の回旋、伸展に伴い誘発されるめまい」と定義されます。
軽度な原因では筋肉のコリや自律神経の乱れ、やや重度な原因では首の血管(椎骨動脈)の障害、その周囲の交感神経の過敏性など、定義が定まっておらず、複数の原因によって起こる事もあるめまいです。
ここでは頚椎か?問題の「頚椎原性めまい」を紹介します。
頚椎にはバランス感覚にかかわる「固有感覚」に対する受容器(脳へ信号を送る受け皿)が多く集まっています。首を痛めたことによる痛覚など「侵害刺激」が常時起こっていると、バランス感覚に異常をきたすことがあります。これが、首からめまいを起こすメカニズムです。首まわりの調整(カイロプラクティック整体やストレッチによるセルフケアなど)で、症状が大きく改善するのが特徴です。
ただし、首まわりには沢山の神経や血管が通っており、非常に繊細な場所です。解剖学を修了した国際基準のカイロプラクター、または医師に相談することを強くおすすめします。
メニエール病
メニエール病の場合、「1時間以上続くめまいが、寝返りや振り向いたときに誘発される」という特徴があるほか、次の一部、または全てに該当する可能性が高いです。
症状
- 激しいめまいとともに、耳鳴り、難聴がでている。
- ぐるぐる回るめまい(回転性めまい)である。
- 吐き気、冷や汗を伴う。
メニエール病は原因ははっきりわかっていませんが、内耳を満たしている内リンパ液が過剰になることで内リンパ水腫になり起こると言われています。難病にも指定されており、完治は難しいようです。しかも、めまいを何回も繰り返すうちに、めまいはおさまっても耳鳴りや難聴は改善しないようになります。
放置すると進行するため、メニエール病の疑いがある場合、早く耳鼻科を受診し、ケアを行うことが大切です